「キックスケーター安全基準の続き」

2006年1月12日

 日本の安全基準はどうなっているんだろうか?

  誰もが首をかしげる建築確認検査=ザル法だったと騒がれているが乗り物だって例外じゃない

  00年からキックスケータ(公式文書用表記ではキックスケータとなる)安全基準作成調査研究委員として会議に参加して様々な問題点を
  指摘し続けてきたが日本の基準作成に対する対応はいい加減極まる


  以下は問題点として指摘した部分である


  (1)公道を走行しないで下さいと説明書に表記とあるが走行が禁止されている場所では乗らないで下さいと表記すべき

  そもそもブレーキ構造を持たない幼児用玩具、スポーツ用具、移動用具として設計された製品まで全てを一括りで議論すること自体
  無理がある

  キックスケータでの公道走行に関して道路運送車両法上は軽車両、道交法では遊具としているが道交法上での解釈は法的な解釈とはいえず
  便宜的解釈(強引な解釈) であり、本来は移動用具すなわち日常生活に於ける移動手段として使用=軽車両、遊ぶ目的で使用=遊具となる
  。この違いは開発設計者の意図により決定される

  使用者は子供が大半であり、尚かつ公道使用しているのが現実である。事故の際の補償問題も含め現実に即していない


  (2)タイヤの幅を現行より幅広く設計し直すべき
  重大事故の状況を踏まえれば排水溝の溝に簡単にはまってしまう現行のタイヤ幅はとても危険である。走行中に排水溝の溝に前輪が落ち、
  膝関節を骨折したり、急停止により腹部をハンドルで強打した死亡事故も起きている。


  (3)
  制動装置に関する規定が曖昧であり改正しなければ危険性が高く容認できない
  大半の製品は制動性能そのものが低く停止はおろか減速も安易ではない。さらに子供が使用した場合は体重が軽く、足踏み式制動装置を
  使用した場合の制動性能が低くなる。以上のような点から軽く践んでもしっかり効く足踏み式制動装置は必須の機能である。

  キックスケータの乗車姿勢に適しているのは足踏み式制動装置である。手動レバー式制動装置の場合、制動時に体重が前方へ移動し前輪
  加重となる。手動レバー式 (ピストン)での前輪への制動装置(キャリパー)取り付け時には制動時に極端な前傾姿勢となり前方へ投げ出さ
  れるか前輪がロックして即転倒してしまう。手動レバー式(ピストン)での後輪への制動装置(キャリパー)取り付けでは荷重がかけられな
  いので簡単にロックしてしまいスリップしてしまうので適切な制動効果を得られない。制動時の姿勢制御を考慮すると軽く践み込んでも
  制動できる足踏み式構造の制動装置を必ず装備すべきである。さらに下り坂で頻繁に使用する場合は足踏み式制動装置と手動レバー式
  制動装置(後輪へのキャリパー装備、若しくは前輪が二輪以上の構造を持つ車体は前後輪キャリパー併用でも可)を併用し姿勢制御方法の
  習得を徹底させなければならない。

  製品の中には制動装置そのものを有していない製品も存在しているが、軽車両にしろ遊具にしろ制動機能は乗り物としての安全性確保
  という観点から必須の機能である。幼児用遊具も三輪車と構造が異なりペダルによる速度制御や両足を地面に下ろして減速することは
  不可能である。以上のような理由から幼児用遊具製品も足踏み式制動装置を必ず装備しなければならない


  各々の製品に合わせ使用状況に即した安全基準の作成こそが必要なのであり、ユーザーを無視したかたちでの密室会議での決定事項など
  受け入れられない

  使用者の数が圧倒的に増えれば世論に圧倒される形で認めざるを得ないのが現状と他の作成委員からソッと教えてもらったけど・・・
  まぁ〜確かにそうだよな・・・そうやって基準ってものをつくってきたんだもんな・・・人が死んでも数が少なけりゃいい???問題点が
  あっても公道走行禁止って書いておけば大丈夫とか???ホントか???いいのか???そんな安全基準???役に立つのか???

  関係者から頼まれちまったよ・・・取り敢えず役所仕事だから関係書類に「公道走行禁止」とか「曖昧な基準」を書いて提出して許可が
  下りれば後から書きかえられるってね

 そんな簡単に書きかえできるのか???ンなワケないよな???そもそも書きかえしたらダメだろ!!!

 だから反対!!!断固として反対!!!結局消費者側に立った団体は僕と意見が一致して審議一時中断・・・結果は???

 今後の動向を見てもう一度審議することになってる

 キックスケータ(面倒だねぇ〜キックスケーターでいいじゃんか)に関わるみんなのために役立つルールを作らないなら税金使って無駄な
 ことしても仕方ないよな


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